Marketing They Are a-Changin'

都内在住ビジネスマン。CSV、サステナビリティ等に関することを 2019.5 Livedoor Blogから引っ越してきました。

Social Good Company VOL.1 インタビュー後記(2)

企業の行動や価値は、一般大衆からますます厳しくチェックされるようになっている。
ソーシャル・ネットワークの成長によって、人びとは既存の企業や製品やブランドについて、
機能的パフォーマンスだけでなく社会的パフォーマンスの観点からも語り合うことができるようになっている。
新世代の消費者は、社会の課題や関心に従来の消費者よりはるかに敏感だ。

マーケティング 3.0:フィリップ・コトラー
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前回に続いて、Social Good Company VOL.1 インタビュー後記 2回目、今回は、キリンホールディング、良品計画の2社をご紹介します。
冒頭に紹介させて頂いたのは、本冊子の中盤に掲載しているフィリップ・コトラー氏の著書、マーケティング3.0からの引用文。
SNSの浸透は、まさにモノ言う消費者としての個人同士が繋がり、良いことも悪いことも企業の評価は拡がり、少し前から、レピュテーション・マネジメント、レピュテーション・リスクの様なキーワードも一般化していますし、レピュテーション・マーケティングなる言葉も生まれました。
しかし、個人的には、レピュテーション・マーケティングというのがどうも馴染めません。消費者やクライアントからの評判は何事にも愚直に誠実に取り組んだ結果であって、マーケティングに求められる仕組み化や効率性とは少し遠い事であると考えているからです。
そういった意味では、Social Good Companyで紹介する企業はまさに、サスティナブル経営を愚直にそして誠実に取り組む企業群と言えるでし
ょう。

キリンホールディングス
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キリンホールディングスさんと言えば、今を遡ること5年前の2013年、日本最初にCSVを部署名に配した企業と言われています。
インタビューにもご協力頂いたキリンホールディング CSV推進室長の森田様とは、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン CSV分科会での出会いが今回ご一緒させて頂いたきっかけとなりましたが、本冊子以外にも弊社主催のセミナーにご登壇頂いたりと大変お世話になっています。
今回のインタビューでとても印象的だったのは、なぜキリンホールディングさんが、2013年からCSVという名称の部署まで設置し、CSV経営を目指しているのか?
また、47都道府県の一番絞りのモノづくりに、まさに愚直に取り組み、商品は地域で支持されているのか?
その一端を直接お伺いすることが出来たことは貴重な体験となりました。

ちなみに最近の家飲みビールは、国産の麦芽と希少ホップが原材料のグランドキリンIPA。オススメです。
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インタビューコメント ピックアップ


SDGsに自社活動をヒモ付けるのではなくて、アウトサイドインの考え方、つまり、社会課題を起点として、自らのビ ジネスの機会として捉え、自社のケイパビリティなりイノベーションをぶつけて解決すること、それによって社会価値と自社の経済価値の両方を高めていくことが重要なのだと」

CSVコミットメントを策定する上で一番重視したことは、”WHY” 「何故」の部分です。アルコール飲料やソフトドリンク、医薬やバイオ事業を生業とする私たちは、何故こうした課題に取り組むのか、にこだわって作成しています」

「(47都道府県の一番絞りの取り組みを通して)頭ごなしにCSVを押し付けるのではなく、日々の事業活動を通して、CSVは社内に浸透していくんだと感じています。これからも社内浸透のために手を緩めずに進めていきますが、結局は実務の中で感じてもうらうしかないんだとうと思っています」


良品計画
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コアなファンが多いことでも知られる良品計画さんが展開する無印良品。シンプルでありながらも高品質で無駄のないデザインは、いまや日本が誇る世界ブランドの一つと言えます。
そして、2018年2月、社会課題解決を通して事業創出のため部門、ソーシャルグッド事業部設立をきっかけにインタビューにご協力頂きました。
こでまでの無印良品の店舗に並ぶ、生活雑貨や食品、衣類の他、最近では住宅に加え、海外ではそのコンセプトが支持されるタイニーハウス(無印良品の小屋)や中国でのホテル事業等、その勢いは留まることを知りません。なぜ、こうした事業に取り組むのか、まさにそれは企業理念に基づくものであることが実感できるインタビューとなりました。
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インタビューコメント ピックアップ

「弊社は理念として”感じの良いくらしの実現”を掲げ、”商い”で社会に貢献することを宣言しています。社会課題の解決が事業目的の一つと言ってもよいかもしれません」

「(コト軸のサービスや商品展開に際して)分野ということでは幅広いのですが、私たちの最大のミッションは、これら取組みと店舗をどう連動させ、明日の無印良品を創っていくかということです」

「店舗は人々の役に立ち、人々をつなげ、地産地消の促進や地域の良品を無印良品のネットワークで全国に拡げていく役割も担い、コミュニティや地域経済の活性化を促していくことが重要なミッションとなるでしょう」


次回の3回目は、ネスレ日本シチズン時計×プラン・インターナショナル、クレディセゾン 神奈川支社の3社をお届けます。